■ 7 月1日〜7月5日|教授引率による山間部の野外観察
- 玖 枢
- 7月20日
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宇都宮郊外の山林にて、苔、枯葉、樹皮、昆虫、胞子体などを対象に紫外線観察を実施。特に樹皮表面や地衣類において、青白〜赤色の蛍光反応や構造的反射が局所的に観察され、同一種内でも個体差が確認された。観察は主に日没後に行われ、人工光と自然光の切り替えによる視覚印象の変化も記録された。代表的な観察例は以下の通り:
ギンリョウソウ(腐生植物):全体に青紫の光沢、花弁の縁に赤色の偏光が出現。葉緑素を持たないことにより、表皮下の水分層や真菌関連の色素による散乱増強および薄膜干渉が視認されたと考えられる。特に湿潤な状態で干渉色が強調される傾向。
鉄釘(廃材):赤錆化した表面が強く赤色に反射。これは酸化鉄(Fe₂O₃)の微細構造による光散乱の強化と、蛍光様反射の複合効果と推測される。また、表面に付着したバイオフィルムに微弱な蛍光物質が含まれる可能性もある。
微小キノコ(ミニマイセナ属?):菌傘裏に青白色の放射状反射。透明多糖質による構造反射+微弱蛍光が原因と考えられる。
朽木および粘菌類?:赤紫色に染まった木質部および、青緑色の小球体が散在。木質部の反応は木質素分解により生成された色素(アントラキノン系)による蛍光の可能性があり、青緑の点状構造は粘菌の胞子体と推定される。後者はカロテノイド系蛍光を示す例が報告されている。
地衣および植物繊維:樹皮に現れた黄色〜橙色の蛍光反応は、地衣に含まれるウスニン酸やノルスティクチン酸によるもので、紫外線照射下で顕著に発光する。一部の葉や繊維には角質層の薄膜干渉による虹彩反射も確認された。
アカタテハ幼虫(毛虫):体表の棘に青白色の強い反射。これは透明な角質突起による多重散乱効果と、タンパク質由来の微弱蛍光によるものであり、構造反射の比重が大きいと推測される。
ザトウムシ(盲蜘蛛):腹部中央に明瞭な緑色の発光が見られた。これは、胆色素(ビリベルジン等)系の色素が紫外線で蛍光を発すること、加えて半透明の体表と内部器官の光学透過性により、散乱と透視の複合作用が強調されているためと考えられる。特に生体時に蛍光が顕著で、死亡後には減衰した。
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