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■ 9月7日〜9月15日|初めての月食撮影と、物理的な課題

  • 執筆者の写真: 玖 枢
    玖 枢
  • 9月17日
  • 読了時間: 2分

今週の大きなトピックは、9月8日の未明にあった皆既月食でした。自作望遠鏡の完成はまだ先ですが、これは天体を対象とした初めての撮影経験になると思い、手持ちの70-300mmレンズで挑戦してみることにしました。


月が地球の影にだんだんと入っていく様子は順調に撮影でき、そのプロセスを一枚の合成写真にすることもできました。しかし、月が完全に影に入り、赤黒く光るはずの「ブラッドムーン」の段階で、宇都宮の上空にはあいにく厚い雲が広がってしまい、その姿を見ることは叶いませんでした。

もちろん、とても悔しい結果でした。ですが、それ以上に大きな学びがあった、非常に密度の濃い一週間でもありました。


まず何より、天体撮影とは、自然という制御不能な要素といかに向き合うか、ということを痛感しました。良い結果を得るためには、機材の性能だけでなく、観測地の選定がいかに重要であるかを実感しました。

また、月食中の光量の変化も想像以上でした。1時間も経たないうちに、ISO感度を100から1万以上にまで上げないと写らなくなるという、めまぐるしい変化。撮影者は常に状況を観察し、即時的に判断を下すことが求められます。同時に、わずかなブレも許されない状況で、三脚の安定性や振動をいかに管理するかという、基本的な課題の重要性にも改めて気づかされました。


そんな実践的な学びがあった数日後、11日に注文していた望遠鏡の部品がすべて到着しました。計画を練っていた頭の中での設計が、ようやく物理的な「モノ」として目の前に現れた瞬間です。しかし……安堵したのも束の間、今度は全く新しい、現実的な課題が立ち塞がりました。想像以上に頑丈なこの塩ビ管を、どうすれば真っ直ぐに切れるのか。計算通りの精密な位置に、どうやって穴を開ければいいのか。

思考の段階から、物理的な工作の段階へ。これまでとは質の違う難しさに、正直少し気圧されている自分もいます。

結果として、今週は具体的な「成果」よりも、これから向き合うべき「課題」を明確に受け取った、そんな一週間でした。この少しの悔しさと、新たな課題への緊張感が、きっとこれからの制作の良いスパイスになってくれるだろうと感じています。

 
 
 

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