■ 6月19日|東京都美術館および国立科学博物館の視察
- 玖 枢
- 7月19日
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東京・上野エリアの展示施設を訪問。国立科学博物館では、鉱石・化石・剥製等の常設資料を中心に撮影・記録を行い、特に鉱物標本における展示照明の工夫や、アクリルケース越しの屈折・反射効果に着目した。観察環境と視覚印象との関係性は、今後の作品展示形式の設計において有用な示唆を得た。
東京都美術館では、彫刻作品や神像を含む高棉王国(クメール王朝)の美術展示を鑑賞。特に石造神像の質感や重量感に圧倒され、実物の持つ存在感により、鑑賞中に涙がこぼれるほどの感情的反応を経験した。また、同会場で偶然目にした《鷲猿図》にも強い衝撃を受け、「視る」という行為が持つ感情的・身体的な暴力性をあらためて自覚させられた。
この体験は、自身が制作中の紫外線写真作品における主題——“可視性”と感覚の限界に関する探究——とも深く共鳴するものであり、視覚が鑑賞者の身体や感情に与える影響についての再考を促された。
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